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AIネイティブゲームの設計:モデルを遊びの仕組みに組み込む
目次

ゲームへAIを取り入れる方法には、制作を支援する使い方と、プレイ中にモデルを動かす使い方があります。後者では、推論の速さ、費用、失敗時の動作まで、遊びの体験に直接関わります。
2026年2月13日のTokyo AIイベント「AI x Games」では、インディー開発、ゲームAIの歴史、開発工程、実装の観点から、この違いが扱われました。
制作ツールと、プレイ中に必要な機能を区別する
SupercellのTokyo AI Innovation Labを率いるJerry Chi氏は、AIを使った制作と、プレイ中に推論するAIネイティブゲームを明確に分けています。公開前に生成する素材なら、人が確認し、修正できます。プレイ中に生成する会話や行動は、進行中の体験の一部になります。

評価するものも変わります。制作ツールなら、担当者が受け入れられる成果を、少ない負担で作れることに価値があります。プレイ中の機能では、適切なタイミングで返答し、選択に意味があると感じられる程度の一貫性も必要です。
自由な会話、適応する仲間、新しい物体の作成など、モデルに何を加えてほしいのかを、ゲーム全体の目的から考えます。

プレイヤーが繰り返す行動から設計する
Pit-Stepの創業者兼CEO、Jun Misaki氏は、「NINJA CATS: Tactics」を通じて、音声会話をゲームの仕組みに組み込む考え方を紹介しています。キャラクターを集め、会話で育て、戦術的な戦闘へ進むという流れの中に、音声によるやり取りを配置しています。
講演では、感覚的、仕組み上、感情的な魅力という観点も扱います。AIの機能が独特な見た目や音を生むのか、面白い選択を作るのか、キャラクターへの関心を深めるのか。毎回違う文章が返るだけでは、こうした価値は決まりません。
小さなチームなら、機能を絞ることで検証しやすくなります。多くの生成機能を広く配置するより、一つのやり取りが繰り返しの遊びにどう貢献するかを確かめる方が、有益な学びを得られる場合があります。
ゲームの状態を、理解できる形に保つ
プログラムには、Youichiro Miyake氏による商用ゲームAIの歴史、Masayuki Yamagishi氏による開発工程、Gautier Boeda氏によるエンジニアリングの視点も含まれます。ゲームには複数の種類の判断と制御があり、すべてを同じ技術で置き換える必要はありません。
設計上は、自由な表現と、正式なゲーム状態を分けて考えることが重要です。キャラクターの言い回しは変わっても、アイテムの有無、クエストの完了、報酬の獲得は、ゲーム側が確認します。即興の台詞によってルールまで変わると、プレイヤーが判断の基準を失います。
推論が遅い場合や利用できない場合も、意図した体験を用意します。待ち時間が許される場面と、進行を妨げる場面は異なります。

Foundryの視点:一つの会話から、周囲の遊びまで検証する
パズルを手伝う仲間キャラクターを、仮の例として考えます。PoCでは魅力的な台詞を返せても、実際の機能には、プレイヤーの発見状況を守り、答えを早く明かしすぎず、曖昧な質問にも対応することが求められます。
進行状況は明示的なゲーム状態として保持し、モデルへ渡す情報を限定します。ヒント、質問、反応などを生成しても、状態を変える操作は別に確認します。パズルを解いたかどうかの判断を、キャラクターの台詞だけに任せません。
評価は会話の一文ではなく、プレイの連続で行います。まだ知らないはずの情報を話さないか、すでに実行したヒントを繰り返さないか、遅れた返答の後も自然に続けられるかを確認します。
その後、プレイヤーに試してもらい、狙った体験に近づいたかを観察します。応答時間や推論費用だけでなく、混乱、反復、次の行動の分かりやすさも重要です。説明が上手なモデルが、必ず面白い仕組みになるとは限りません。
範囲を絞って導入すれば、ゲーム全体が依存する前に、このバランスを確認できます。Foundry LabsのコンシューマーAI・HCI分野の開発につながるのは、モデルの能力を、意図した遊びの流れと理解可能なルールへ結び付けることです。
出典・関連情報
本記事は、AI x Games - Revolutionizing Game Development and Game Experienceのイベント案内と上記の講演をもとに構成しています。Tokyo AI(TAI)は研究者、エンジニア、企業をつなぐコミュニティです。Foundry Labsのコミュニティ活動もご覧ください。
Jerry Chi、Youichiro Miyake、Jun Misakiの登壇資料をご希望の方は、お問い合わせフォームより、イベント名と登壇者名を添えてご連絡ください。
登壇者プロフィール
Jerry Chi。Supercell Tokyo AI Innovation Labの責任者。AIが可能にする新しいインディーゲームをテーマに登壇。 LinkedIn
Jun Misaki。Pit-Step創業者・CEO。独立スタジオとしてAIネイティブゲームを開発する。 LinkedIn
Youichiro Miyake。Square EnixのLead AI Researcher、東京大学の特任教授。 LinkedIn
Masayuki Yamagishi。NextNinjaのCEO、ゲームプロデューサー。AIを活用したゲーム開発をテーマに登壇。 LinkedIn
Gautier Boeda。Square EnixのAI Engineer。AIエンジニアの視点からゲーム開発をテーマに登壇。 LinkedIn
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