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信頼できるAIエージェント:記憶と実行状態を分けて設計する
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顧客の好みを覚えているAIエージェントでも、途中の作業を失うことがあります。2026年10月のTokyo AIのイベントでは、「記憶」と一括りにされがちな三つの要素を分けて考えました。推論に使う情報、実際に終えた作業の記録、複数のエージェントが共有する文脈です。

情報の記憶と作業状態を分ける
Yulan Yan氏は、製品によって「記憶」の意味が異なることを示しました。対話型サービスは以前の会話を探し、企業向けエージェントは複数の業務システムに散らばるやり取りをまとめます。ロボティクスでは、過去に遭遇した状況との類似性が重要になる場合があります。いずれも検索の課題ですが、鮮度、アクセス権、関連性の条件は同じではありません。すべての会話を保存するだけでは解決しません。

Melanie Warrick氏が取り上げた実行状態は、別の問題です。どの工程が終わり、外部システムへの操作が保留中で、中断後に何を確認すべきかを残す必要があります。依頼を送った後、確認を受け取る前にエージェントが停止したとします。元の指示を覚えていても、同じ操作を繰り返してよいかは分かりません。永続的な記録と、外部システムの状態を照合する手段が必要です。

共有する文脈にも責任者がいる
Koji Annoura氏は、知識グラフによるエージェント間の永続的な文脈共有を扱いました。複数のエージェントが同じ対象や関係を参照できる一方で、誰が情報を更新し、どの版を正とし、情報源が食い違うときどうするかが問題になります。関係性を扱いやすくしても、出典と権限の管理は残ります。
発注業務のエージェントを例にすると、取引先の書式の好み、請求書の確認済み状態、別の審査エージェントと共有する取引先情報は別物です。それぞれ保存期間、アクセス権、訂正方法を変えるべきです。これは説明用の例です。本番化の審査では、三つの層を分け、中断と矛盾した記録を含めて試します。
信頼できるエージェントの設計は、「残る情報」をすべて記憶と呼ばないところから明確になります。
Tokyo AIは、Foundry Labsが運営する日本の開発者、研究者、ビジネスリーダーのコミュニティです。イベントページもご覧ください。
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登壇者
- Melanie Warrick:TemporalのAI・開発者向け技術担当。
- Yulan Yan:Zillizのソリューションアーキテクト。
- Koji Annoura:独立コンサルタント、Neo4j Users Group Tokyo共同創設者。